『もう来んでくれⅡ』編
~大事な通気口が塗装でふさがれている編~
お客様とこんな出会いがありました。ピンポ~ン
「外壁リフォームをしてますアラタナホームズのミノハラです。お忙しいところすみません。」
ガラガラ。居間の扉が開きました。
「なんな? なんのリフォームね?」
「屋根壁のリフォームでお伺いしました。」
「いらんいらん、もうよか?忙しいったい。」
「すみません、忙しいところ。こういってお話させていただくのもあまりないので、少しお家のことをお話しさせていただいてもいいですか?」
「あ~あ、あんたんとこみたいな業者に前回塗ってもらったが、この有様たい。ハウスメーカーに聞いたら、今度は張り替えが必要と言われとる。絶対に頼まんけん、来るな‼」
「そうなんです。こちらをご訪問させていただいたのも、塗り方に違和感を感じまして・・・。」
「どう見てもダメな塗り方やろ。」「お分かりになりますか?」
「見た目ですぐわかるやろ、だけん来たっちゃろ?しょっちゅう来る。それも嫌や。」
「よくお分かりになりますね、建築関係のお仕事されてらっしゃいましたか?」
「建築関係じゃない。でも分かるやろ。ベタベタ厚塗りして見た目も悪いし、ボテッとした外観になってしまった。」
「そうなんですね、厚塗りの仕上げが気になってらっしゃるんですね。でも、問題はそこではないんです。屋根壁の通気をふさいでいるのが問題なんです。」
「はぁ?通気?塞ぐ?どういうこと?」
「コチラの壁の構造は、壁の内部の湿気を効率よく排出できるよう壁の中を空気が循環するように出来ているんです。また、壁自体もある程度(5%)の吸湿性を持たせることで壁自体の湿気も、逆に外に排出することができるんです。」
「なんで壁に通気が必要なん?断熱材とかがあるから通気したら意味なかろう、密閉が一番やろうもん。」
「湿気などの水分が腐る一番の原因となるんです。乾燥してあるスルメは保存性が高いですよね。」
いや、塩やろ‼前の塗装屋は『海が近いから塩でやられる。しっかり塗りましょう。』といって、こんなになった。」
「そうですね、海が近いと塩害が心配ですよね。でも、塩が直接悪いわけじゃないんです。」
「塩が悪いんじゃないって?」
「はい。塩は水分を吸収する性質があるので、壁や家に入り込んだ塩分が湿気を吸収するので、その水分が悪さをするんです。」
「なんて?結局水が原因とね‼」
「はい、そのとおりです。ですからお宅のように厚塗りが悪いというわけではありません。通気経路を遮断したことが問題なんです。」
「じゃあ、どうなる?」
「見た目はわかりませんが、内部に湿気がたまり、最悪壁が内部から腐っていきます。あくまでも最悪ですよ。ところで、塗り替えて何年ですか?」
「4~5年かなぁ。」
「まだ影響は出てないかもしれませんが、部屋の中にいて、カビ臭いと感じることはありますか?」
「そういえば・・・。」
「カビの臭いがし始めると状況としてはあまりよくありません。ハウスメーカーもおおよそ見当され、張替えを提案されたと思います。」
「そうそう。色々聞いたけど、あんたみたいに原因を分かり易く言ってはくれんかった。」
「そうなんですか。ただ、全て張り替えるとなると相当な金額がかかります。」
「そおったい。ハウスメーカーに聞いたら、数百万どころか目が飛び出すほどの金額だった。」
「ですよね。別の方法もまだ残されているかもしれません。建物の状況確認は必要となるので、一度検査のため、お部屋の中も含めて見させていただけませんか?」
「いや、お金かかるっちゃろ?」
「いえいえ、見積作成依頼をかけていただければ、無料で実施できます。壁内部の状況確認と壁自体の吸湿測定も行いますので、状況が数値や画像などで確認できますよ。」
「無料ね。画像と数値で?それなら分かり易い。信用できるね。前の人は他の建物の状況写真は見せてくれたけど、うちに関しては口頭で教えてもらっただけやからね。だけど、そんなこといって、無理にリフォームを勧めるっちゃないとね(笑)」
「そうですね、お勧めします(爆笑) 冗談です。施工内容と金額と、S様が現状を踏まえてするかしないかご判断いただければ。やらないという選択肢も、もちろんありです。」
「それなら、今から検査してもらえる?」
「測定器がないので今からはさすがに無理ですよ(笑) 」
「そうかそうか、そうやね(笑)」
「明後日の水曜か木曜のご予定はいかがですか?週末は天気が崩れそうなので、晴れが続いている日程がいいので。」
「じゃあ、水曜の午前中で。」
「かしこまりました。それでは検査担当者と共にお伺いします。当日はよろしくお願いします。」
「こちらこそ、よろしく。」
S様との最初の出会いはこんな感じでした。
検査した結果、ラッキーなことに致命的な腐食はありませんでした。周囲に家がなく開けていたおかげです。これなら通気口を全て元に戻す工程を入れれば、安心してお住まいいただけると思いました。
後日、検査結果をS様にお伝えしまし、施工内容と見積もご確認いただけました。
「S様、先日もお伝えしましたが、やらないという選択肢もありです。数社相見積をとられたらいかがですか?」
「う~ん、考えておく。」
1週間後、S様よりお電話があり、「家内にも説明してもらえんね。」ということで、再び訪問。
その場でご成約いただきました。
S様、ありがとうございます。今日も感謝です(o^―^o)ニコ
施工内容が細かく複雑なので、全幅の信頼がおけるTさんにスケジュールを無理やりあけてもらい施工してもらいました。施工後のあいさつに伺うと・・・。
「いや~、実をいうとあんたんとこが一番高かったとよ。」
「えっ、そうなんですか?」
「でも、通気のことを教えてくれるところはなくてね。それとね、これは結果話しなんだけど。お宅の職人のTさん、施工中も色々メンテのことや状況等話してくれて、安心して任せることができた。またなんかあったらよろしく頼むよ。」
「ありがとうございます。点検時期になりましたらまたお邪魔します。その間に何かありましたらご連絡ください。」
「なんね、点検は金とるとね? 」
「いえ、無料定期点検です(笑)。」
後日、S様から
「花見するっちゃろ、送っといたからみんなで楽しんで。」
という連絡がありました。
翌日、事務所にこれでもか!というほどのBBQ用のお肉が届きました。
4月上旬、ご遠慮なさるS様ご家族を無理やり(笑)お招きして、BBQ花見を満喫しました。S様との出会いは、ARaTana Home’s独立の年だったので、一層感慨深いものでした。
こういった不良施工や手抜き工事は未だに多く、我々もどうにかして皆さんに施工される前にお知らせしたいと思い、回らせていただいているというのもあります。相談したいがどこに言えばいいかお悩みの方はARaTana Home’sまでお気軽にお問い合わせください。資格保有の診断士が対応いたします。
次回のピンポーンは、古賀市Mのお客様で、『2度も不良施工された』お宅編です。お楽しみに。