『襤褸を着ても心は錦』編
>外見よりも内面が大事だということの諺で有名ですね。
お客様とこんな出会いがありました。
ご訪問していた御宅を出た際、
「リフォームの会社ですか?」
といきなりお声掛けいただきました。
ご訪問先の真向かいの御宅の奥様でした。
「少し聞きたいことがあるのですが、今いいですか?」
名刺をお渡しし少し立ち話の後、御宅にお邪魔させていただきました。
掃除も行き届いて、家の中は整理整頓され、調度品もバランスの取れた品のいいお部屋でしたので、自然と
「きれいでおしゃれなお部屋ですね。」
と声が出たほどでした。
「今日は、お声掛けいただきありがとうございます。ところで、如何されましたか?」
「ちょっと家の見た目が気になっていたので」
「見た目ですか?」
少し元気がないような感じでしたので、
「何かお悩みですか?当社で解決するのですか?」
と伺ったところ、
「実は先日、近所の奥さん方の会話を聞いて・・・。」
「『〇〇さんの御宅、いつもきれいにされているけど、外観がねぇ・・・。』といわれていたのをたまたま息子が聞いてきたのです。それから気になってきになって。どこに聞いていいかもわからず、たまたまいらしたのでお声掛けしました。」
とのことでした。
「そうですか、時間がありますので、今からお庭周りを見せていただけますか?」
といった流れで壁面を見せていただきましたが、奥様が気にされているほど傷んでいませんでした。
でも汚れは端々に見られました。
「奥様、傷みがあまりないのですぐにメンテナンスの必要はありません。屋根に問題ないのであれば、洗浄だけで十分と思います。」
「この環境ですと足場もいらないので。簡単ですよ。」
「そうですか、それほどではないのですね。でも・・・。」
お部屋があまりにもきれいでしたので、周囲の奥様方にはそのギャップがあったのでしょうか。
そのあとぽつりと奥様が・・・。
「外からの見た目も大事なのですかね、心は錦って言いますけど・・・。」
周りがちょうど壁塗りのリフォームをしてはいましたが、さすがに気にしすぎではないかと感じました。
「お知り合いから言われたのは少しショックですよね。門周辺および外壁を気にされる方は多くいらっしゃいますが、無駄に費用をかける必要はありません。適正なメンテをすることで、家は長持ちします。旦那様と奥様が苦労して建てた家に、孫・ひ孫が住む。そういった家はいいですよね。」
と、一旦フォローして洗浄工事をお勧めしました。
誰がどのように見ているか分からないのも不安になりますよね。そこはあまり気にせず適正にメンテをしていくことが家の寿命を延ばす秘訣です。